Dave weckl (デイヴ・ウェックル)

アメリカの伝説的フュージョン・ドラマー。
20代前半で「チック・コリア・エレクトリック・バンド」に抜擢され一躍注目を浴び、現在も活躍しています。
精密で機械的なテクニックを持ちながらも、ラテン音楽やアフリカンから受け継がれる打楽器のリズミカルなフィールを見事にドラムへ集約させた素晴らしいドラマーです。

Vinnie Colaiuta (ヴィニー・カリウタ)

ドラマー界では奇才と呼ばれているこの方。
フランク・ザッパが自身のバンドの歴代ドラマーの中で最も愛したドラマーであり、後にスティングやジェフ・ベック、ハービー・ハンコック、日本では宇多田ヒカルや松任谷由美、メタルバンドのメガデスまでも虜にしてきたもはや無敵のドラマーです。

Steve Gadd (スティーヴ ・ガッド)

スタジオ・セッション・ドラマーとして彼以上の功績を残した人物はいないのでは?と言えるほど、数々の名盤の中で彼のドラミングを聴くことができます。
ポール・サイモン、スティーヴィー・ワンダー、ビージーズ、フランク・シナトラ、スティーリー・ダン、近年ではエリック・クラプトンやジェームス・テイラーのライブ等でも活躍し、日本でも人気のドラマーです。

文脈だけでは語ることのできないこの3人のドラム・バトルは、結局誰が1番なんだ?と今でもファンたちの話題の的となっています。

まずはデイヴ・ウェックルのソロから始まります。

一打一打の精密なストロークから放たれるサウンドはもはや人間技とは思えないですね。ドラムをよく知らない方が見てもなんか凄い!と思うはずです。

そしてヴィニー・カリウタへバトンタッチ。
テクニカルで高速なストロークから放たれるサウンドはどこか奇妙で強烈なインパクトがあり、異様な空気を放ちながらデイヴ・ウェックル氏とは違うアプローチとテクニックで力強いソロを繰り広げます。

そこに軽やかなニューオリンズ・ジャズのセカンド・ライン・スタイルのスネアソロが聴こえてきます。そして徐々にドラム・ビートへと繋げリズミカルかつパワフルなスティーヴ・ガットのドラム・ソロ。

高速ストロークや高い技術を披露して人々を釘付けにさせた最初の2人とはまた違うシンプルなスタイルで客席をあっと驚かせ、この後のドラム・バトルの方向性をガラッと変えてしまいます。

ここからスティーヴ ・ガット氏が作り上げたサウンドの土台の上で3人のドラミングが絶妙に絡み合い、シンクロし、互いを刺激し合うように、全体のリズムがうねり始めます。

流れを変えたスティーヴ ・ガットのソロは、ドラムテクニックにおける最も重要な要素である“グルーヴ”にフォーカスしたソロです。

この”グルーヴ”の要素が”音の連鎖”そのものに命を吹き込み、”音楽”となります。

もちろん前者2人が披露したプレイは本当に素晴らしいテクニックで誰もが(私自身も)憧れるスタイルのソロです。

しかしテクニックだけのドラム・バトルでは一部のドラムフリークを除き、多くのオーディエンスはどこか少し置いていかれたような、ただ呆然と見ているだけの時間となり、プレイヤーとの境界線がはっきり感じられてしまうのではないでしょうか?

そこに”グルーヴ”という要素が上手く機能した時、オーディエンスとプレイヤーとの間にあった境界線は消え去り、とても自然な流れで会場の雰囲気がひとつになります。

人々が本来持ち合わせている鼓動を明確に導き出したスティーブ・ガットのグルーヴィなプレイ。
それをきっかけにオーディエンスも含めた全体と見事に共鳴することができた、
これが今回のドラム・バトルで最も賞賛されるポイントかなと思います。

今や世の中に溢れるビートのほとんどは身体をパスし、
指先ひとつでPCの画面上に再現することができるようになりました。

テクノロジーの発達により人々が平等にビートを作り込める現代で、
頭に浮かんだビートをドラムという楽器を使って体現することは非生産的に見えるかも知れません。

ドラマーの四肢から放たれる音のうねりや掛け合いを受け、鼓動に呼びかけられたオーディエンスの心が動き変化していく歴史的ドラム・バトル。

もしこの動画を通して楽器の魅力に改めて気付いてしまった方がいましたら、お近くの音楽スタジオで 1時間500円程でドラムをおもいっきり叩けます。是非お試しください!

またこのメモリアル・コンサートは、とあるドラマーの多大なる功績を讃えたイベントでアメリカでは毎年行われています。ドラムだけでアメリカン・ドリームを掴みとったと言われている超人ドラマー、バディ・リッチ。

死後40年以上経った現在も彼の功績は今だに世界中のドラマーを虜にしています。

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