ブルースは、奴隷として過酷な労働を強いられたアフリカ系アメリカ人たちの魂の嘆きから生まれました。
移民国家アメリカの中で、さまざまな音楽と混ざり合い、嘆き、苦しみ、そして微かな未来への希望を刻みながら、現在まで受け継がれています。

ジャンルとしてのブルースは、世界各国で革命的な音楽として迎え入れられました。
しかし、本国アメリカでは、ブルースを生み出した先駆者たちへの関心や敬意などは薄く、奴隷解放後も変わらずに彼らは差別や迫害を受け続けたのです。
それでも彼らは、日々の苦しみも、くだらない日常も、微かな光すらもすべてブルースへと昇華し、音楽として世界に残しました。

戦後、日本も敗戦国としての混乱を抱え、学生運動や激しい政治運動が社会を揺るがしました。その時代の嘆きは、アフリカ系アメリカ人がブルースに託したスピリットと共鳴し、日本でもブルースは受け入れられたのかもしれません。

シカゴを訪れた際、とあるブルースマンに「ブルースとは何か?」と尋ねたことがあります。彼は私をトイレへと連れていき、黙って便器の水を流しました。
そして一言、「これがブルースだ」と残し、その場を去りました。

時として、感性は言葉にすることで鈍ってしまいます。
余計な考察を手放し、真実という概念さえ揺らぐこの時代に、どうかブルースと心で対話してみてください。

Blind Lemon Jefferson – Match Box Blues

戦前ブルースは、1920〜30年代のアメリカ南部で発展した、最も原初的なブルースの形です。農場や労働現場で歌われたフィールドハラーやワークソングを起源に持ち、 ギターの弾き語りと独特のリズムで、労働や貧困、人種差別の中での悲しみや希望を歌いました。
ロバート・ジョンソン、ブルースの母メイ・レイニーなどの伝説的なアーティストが生まれ、彼らの音楽は後のブルース、ロックンロール、ジャズへと受け継がれていきます。 粗削りでありながら生々しい戦前ブルースの響きを、体感してみてください。

ブルースを“知る”のではなく、“感じる”ための入口として、 ぜひ店頭でレコードを手に取り、体験してください。戦前ブルース特設コーナーを店内にご用意しております。
時代を越えて届いた“魂の音”を、じっくりと聴き込めるスペースになっています。(Suguru)

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