どうも! ゲーム担当のスタッフSです。
待っていた方はお待たせいたしました。約1年ぶりのブログです。
前回のブログを見直してみたら、そちらにも約1年ぶりと書いていました…

前々回は「埼玉ゲーセン探訪そのいち」というブログを書かせて頂いたのですが
「そのに」を書かないまま、もう2年近く経ってしまったんですね。
「そのに」で書こうと思っていたゲーセンがあったので
「そのいち」と付けたのですが、昨年そのゲーセンが閉店になってしまい…

ゲーセンはここ5年間で3割も減少してしまったそうです。
「そのいち」でご紹介したVGMロボットさんも昨年電気代の高騰のため
1プレイ100円→200円に値上げしたことでニュースにも取り上げられていました。
(昨年11月に100円に戻っています)
電気代の高騰の影響もありますが、コロナ禍でゲーセンのコミュニティが
オンラインに移ってしまったのが大きいのかなと思います。
今も「ゲーセン文化」を絶やさず頑張っているゲーセンには
本当に感謝ですし、私たちも何か出来ないものかと考えています。

という訳で「そのに」が無くてすいません!

さて、今回はレトロゲームのオーパーツの話。
ゲーム担当としてレトロゲームの魅力をご紹介できればと思います。

「オーパーツ」とは、当時の技術や知見では作成が困難あるいは不可能に見える遺物のこと。
当時では考えられないような技術が詰め込まれたゲームソフトをいくつかご紹介します。
まずはレトロゲーマーであれば知らぬ者はいない天才プログラマー、ナーシャ・ジベリ氏の話から。

・ファイナルファンタジー3
AppleIIの天才プログラマーと呼ばれていたナーシャ・ジベリ氏。
スクウェアの初代社長、宮本雅史さんと偶然出会いスクウェアに入社することになります。
当時のファミコンの性能では実現不可能と思われていた高速画像処理と疑似3D技術で
「ファイナルファンタジー」「ハイウェイスター」「とびだせ大作戦」といったソフトを開発。
ファミコンのCPUがAppleIIと同じ6502だったこともあり、ファミコンの仕様では明記されていないやり方でのプログラミングもしていたそうです。

そのエピソードの一つが有名なFF3の飛空艇「ノーチラス」の8倍速移動。
この驚異的なスピードは、ファミコンの性能では実現不可能だと思われていたため
ジベリ氏がファミコンのCPUのバグを使用して実現したものだと都市伝説のように広まっていました。
FF3だけがGBAやWSに移植されなかったのも、他機種では実現できなかったためと言われています。
しかしながら、ドラゴンクエスト3、4でチーフプログラマーを努めた内藤寛さんが
2022年にDQ3に飛空艇を実装できるのかに挑戦し、様々な技術的工夫で8倍速移動を実現。
さらに16倍速移動も実装させ実現不可能では無かったことが判明しました。

2024年6月22日放送のJ-WAVE「ゆう坊とマシリトのKosoKoso放送局」にて
頼んでもいないのに高速スクロールルーチンを作ってきて
最高速はもっと早かったそうですが「そんなの、いらねえんだよ」って遅くしたと
ファイナルファンタジーの生みの親、坂口博信氏がこのエピソードを語っておりましたので
ジベリ氏もこのような方法で実装したのかもしれません。
ジベリ氏の偉大さがわかるエピソードですね。

・地球解放軍ジアース
「地球解放軍ジアース」は、1992年にT&Eソフトから発売されたゲームボーイ用の縦スクロールシューティングゲーム。
ゲームボーイの液晶画面は、画面の更新時に前の画像が一瞬残るという「残像」現象が発生してしまいますが、
このゲームでは、その残像現象を逆手に取り、2つの異なる背景画像を高速で交互に表示することで、ゲームボーイでは不可能な背景の2重スクロールを視覚的に実現しています。
この技術はゲームボーイの液晶特有の残像現象を利用しているため、残像のないスーパーゲームボーイなどでプレイすると、画面がチラついてしまいます。

こちらはスーパーゲームボーイ2の動画ですが、60fpsで再生し一時停止すると背景の片方しか映っていないことがわかります。
発売当初は話題にならなかったものの、後にこの描き込みの細かいグラフィックと、ゲームボーイのゲームとしては非常に高い完成度が評価され、
現在(2024年6月)では箱説付きだと15万円を超えるプレミア価格で取引されています。

・P-マン
次は技術が凄いことで知る人ぞ知るゲームボーイソフト「P-マン」です。
同名のスーパーファミコン版とは異なり、海外PCゲーム「Prehistorik 2」の移植作になります。
Amstrad CPCというPCで有名プログラマーであったエルマー・クリーガー氏が移植しており
ゲームボーイのCPUがAmstrad CPCのZ80に近い仕様だったため、氏が培った技術がこれでもかと詰め込まれています。

その一つがスプライトと呼ばれるキャラクターやアイテムなどのオブジェクトが並んでも消えないこと。
ファミコンのドラクエ3や4をプレイした方ならキャラクタがチラついた覚えがあるのではないでしょうか。
ファミコンはスプライトと呼ばれるキャラクターやアイテムなどのオブジェクトが1スキャンラインごとに8個までという制限があり
1キャラクターを2×2のスプライトで表示しているため、横に4キャラまでしか表示できません。
5キャラ目以降は消えてしまいます。
キャラクタが消えてしまうのを防ぐために、消えてしまう対象を高速で切り替えており、チラついて見える訳です。

ゲームボーイも10個までと制限があるのですが、「P-マン」では制限に達するとスプライトの一部を背景に書き込むことでこれを回避しています。
飛び跳ねるアイテムすら実は背景面に書き換えられているんですね。
どういう技術なんでしょうか…

またBGMもAmstrad CPCで作成した楽曲を移植するためにゲームボーイ用のサウンドトラッカーを作成してしまう凝りようで、ゲームボーイから出ているとは思えないような異常な作り込みのBGMとなっています。

もっと沢山ご紹介したいゲームがあるのですが
熱くなりすぎて長くなってしまいました。
続きは今度こそ次回お届けいたします。
ここまでご覧いただきありがとうございました。

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