90年代JAZZといえば、音楽シーンの中で最もJAZZが世間からの興味が遠退いた時代ではないでしょうか。

20年代頃生まれたJAZZは40年代頃から世界へと浸透していき70年代頃にはあらゆるジャンルと結びつきはじめ、80年代になるとクロスオーバー/フュージョンの流れから、凄腕のミュージシャン達が多方面のジャンルへと影響を与えていくようになります。
その流れでメタルシーンを初めとするロックシーンも高盛を迎え、ロックのスタイルの進化も加速していき様々なスタイルのミュージシャンが登場します。80年代後期から90年代初期になるとニューウェーブ、グランジなどのジャンルを中心にオルタナティヴなどのジャンルがMTVを筆頭にしたメディアをキッカケに注目され始めもはや90年代を生きるJAZZに世間は注目もしなくなりました。
90年代を代表するジャズマンでパッと思いつくのは誰でしょう。
10年代のジャズブーム再来までの長い長いジャズの氷河期を超え現代にJAZZの魅力を現場で伝え続けたアーティスト達を数名だけ紹介します。

Kenny Garett
若くして晩年のマイルスバンドにも参加していたサックス奏者、マイルスと同様に新たなスターを見つけ出す天才でもあります。
現行の最高峰ジャズドラマー Chris Daveも彼に見出され後にジャズシーンで活躍していきます。

Joshua Redman
同じくサックス奏者で90年代の最高峰カルテットといえば彼のカルテットではないでしょうか?メンバーはPiano:Brad Mehldau / Bass: Christian McBride / Drum: Brian Blade
現行でも大活躍の黄金メンバーです。

Roy Hargrove
R&BやHIP HOPシーンにおいてはもはや説明不用かもしれないですが、間違いなく90年代ジャズシーンを代表する伝説的トランペッターです。(彼には思い入れがありすぎるのでまたいつか詳しく紹介します)

Karriem Riggins
この方もHIP HOPシーンの方は間違いなく知っているであろうビートメイカーの1人ですが、彼のジャズドラマーとしての功績も計り知れません。

この他にも数え切れない程のアーティストが懸命にJAZZと他のジャンルとの架け橋を作り現代にその技術と空気感を伝え続けてくれました。

個人的な感想ですが80年代後期〜90年代という時代は良くも悪くも音楽の質が「演奏家の技巧的な意味での技術」で測られていた時代だと思います。この時代に人間離れするような演奏をするミュージシャンが各国で頭角を表してきました。1番の要因としてはコンピューターによる音楽製作がこのような流れを作った要因だと思っていますが、これについては個人的にはかなり好意的に捉えていて通過儀礼として必要な事だったと思っています。人々が打ち込み音楽の登場で驚き、演奏家達は自分達が必要がなくなってしまうのではないかと恐怖し対コンピューター相手に技術と知恵を磨きその結果、コンピューターと人間はそれぞれの得意不得意を理解しその苦労もあり現代のリスナーもミュージシャンも見事にコンピューターとの共存の道を勝ち取ったように思います。

そういった意味で90年代のジャズマン達が耐え抜いた功績(もちろん他のジャンルも同じく
)は水面下で着実に現代の音楽家達やリスナー達の基礎になっていきました。

「JAZZとは五大陸全ての要素が集まった唯一のジャンルである。」

偉大なジャズマンであるマックスローチが言い残した言葉通りもはや現代ではJAZZという一つのジャンルにカテゴライズするのが野暮だと思われるくらいにJAZZのエッセンスが染み渡り脈々と今尚進化を続けているのです。

CONTACT

お電話からのお問い合わせ

0493-27-4302
平日 10:30~12:00 13:30~17:00

インターネットからのお問い合わせ

2営業日以内に返答させていただきます。

お問い合わせ