「ジャパンビンテージってなんだ?」
こんにちは!T.S.G.楽器店です!
度々、こちらのブログでもジャパンビンテージについて触れてきましたが、そもそも「ジャパンビンテージ」ってなんだ?という質問を多く聞きます。今回は、その定義と代表的なブランドについて説明します。
ギターの業界では、製造より約25年~30年経過したものをビンテージ品として取り扱います。長い熟成期間を経て材料や塗装が変化し、製造当初には感じられなった風合いや音に変化が生じる訳です。
中でも70年~80年代前半の日本製ギターは、非常に精度が高く、安価でありながら高級材がふんだんに使用されている為、海外のコレクターから火がついたジャンルが「ジャパンビンテージ」です。
これらには、ギターだけではなく、エフェクターやアンプ、シンセサイザーなどの電子機器も含まれており、ROLANDやYAMAHAを世界的な企業へ押し上げた一つの要因でもあります。
「先駆者Greco」
楽器の総合商社である「神田商会」が1960年に自社ブランドとしてスタートさせたブランド。製造は「富士弦楽器製造」(フジゲン)フェンダーやギブソンのコピー品を軸に商品展開されていますが、
あらゆる海外メーカーのコピーモデルが存在し、全て高品質。製造所の「フジゲン」はアメリカ2大メーカーのフェンダー社とギブソン社からライセンス製造を許され、日本製を知らしめた立役者であります。
ジャパンビンテージとして流通しているものは「レスポール」タイプが多く、木材だけではなく、ピックアップや金属部品にまでこだわり海外メーカーを徹底的に研究し再現しており、現在はパーツのみでも高値で取引されるほど人気です。
「王者Tokai」
設計から製造まで静岡県浜松市にある「東海楽器」が行っており、当時は総合楽器メーカー。会社の歴史は古く、ピアノや民族系楽器まで幅広く製造し、皆さん馴染みのある「ピアニカ」は1961年に「東海楽器」が開発した教材楽器。
ギターのスタートは1965年から始まっており、後にCFマーチン社から正規代理店とコピーギターの製造を許された日本を代表するギターメーカーへと成長して行きます。代表機種のレスポールのコピーモデルである
LSシリーズは1978年に満を持して発売され、中堅クラスのモデルで当時の本家ギブソン社のスペックを超えており、製造から40年以上経過している上位クラスは、ギブソン・カスタムショップの上位機種と肩を並べるほどと言われています。
「世界のROLAND」
ギターの音作りに欠かせないエフェクターにも「ジャパンビンテージ」のジャンルがあり、中でもライトミュージック向けブランド「BOSS」は全世界で有名。元々は1973年にスタートした前身メーカーが「ROLAND」のグループ会社となり再スタート。
意外と知られていませんが、「株式会社BOSS」は2018年で解散しています。こちらの「CE-1」は代表機種であり、今だに最高峰モデルであります。デジタル技術が進化している今日でも再現不可能と言われ、
特に、70年代~80年代のアナログ回路独特の音色は、現在のパーツでアナログ回路を組みあげても再現不可能と言われるほどの完成度。世界中のギタリストから絶大な支持を集めるだけでなく「ROLAND」製品は、プロミュージシャンの
機材に必ず1つは組み込まれていると言われるほどの信頼度。今や「ジャパンビンテージ」や「日本製ブランド」は、音楽業界を支える屋台骨なのかも知れません。