みなさん、お疲れ様です。
2024年が始まりました。
元旦から能登地方で大地震があり、2日には羽田空港で航空機の衝突事故がありました。
お疲れ様です、と一息つくことは、けっこう幸せなことなのかもしれません。
私は毎日忙しく仕事をしていると、見えている景色が仕事一色になり、
視野を広くもつことを忘れてしまいます。
これもある意味幸せなことで、世の中の動きにいちいちアンテナを張っていなくても、
いつもと変わらない明日が来るということです。
明日生きていけるか分からないような世界線にいたら、
仕事に熱中することも許されないでしょう。
年末年始のお休み中に立て続けに起こった恐ろしい出来事を、
仕事から離れて休まった頭で受けとめたとき、
忙しいことを言い訳にかなり平和ぼけしていたなと感じました。
想定していないことが起こったときも、なるべく思考をストップさせず、
最適な行動ができるような、そんな大人を目指したいと自分の理想像を再認識しました。
今年はそれに少しでも近づけるよう、日々心がけていきたいです。
ところで。
皆さんは最近、良いお買い物をしましたか？
ビジネスをやっている以上、そして資本主義のもとで暮らしている以上、
私たちはかなりお買い物に支配されていると言えます。
毎日いろいろな場面でお金を使いますが、
「いつまでも記憶に残るような購入経験」となると、人生のうちに数えられるほどしかないのではないでしょうか。
買わないといけないから買うものとは違い、
VDSで販売しているレコードやカメラは、
そんな忘れがたい購入経験を提供できる商材だと思っています。
海外販売のお客様対応の仕事を始めてから約一年たちますが、
「このお客様は本当にこれが欲しかったんだろうな 」
というのがやり取りから伺えると、やはりとても嬉しくなります。
レコードやカメラを作り出しているわけではありませんが、
特別なものに出会える場所を提供できているということに喜びを感じます。
思い入れがあったり、思い出があったり、
そんな「ストーリーがあるお買い物」を多くの人に提供できたら、
それは売り手としても最高の経験なのではないでしょうか。
私は最近、通勤用のトートバッグを買いました。
毎日使うものだから本当に気に入ったものにしたく、半年くらい探し続けてやっとです。
なかなか記憶に残る良いお買い物となりました。
日本のセレクトショップで購入しましたが、
ロンドンにある洒落た古本屋が販売している商品でした。
デザインが面白いんです。
ここで書くのは控えますが、このバッグには“良くない言葉”が書かれています。
“良くない言葉”
f*kだの、shtだの、そういうやつです。
(あ、私のバッグにはまた違った言葉が書かれています)
こういった罵り言葉が存在しない言語はない、
そんな話を聞いたことがあります。日本語にもありますよね。
人間は、そういう言葉がないとやっていられない世界に生きているということだと、私は思います。
もちろん他人に向けて使うのは良くないです。それは大前提としたうえで、
それでもきっと人間にとって必要な言葉なんです。
心のなかで、クソ、とか思うことありますよね。それだけで少しすっきりしたり、救われたり。
誰もそんな、本当に健康な心と身体で生きていないだろうと最近思ったりします。
それなりに上手に傷を隠しながら必死こいているのかもしれない。
大人になればなるほど、傷を隠すスキルだけは上がっていきます。傷はいつまでも残るけれど。
そんなことを考えていると、このバッグのデザインはかなり洗練されているような気がしました。
不思議ですが、白い字で書かれた品のない言葉のなかに、知性と品を感じたんです。
知識を売る場所である古本屋が売っているという事実も、その感覚を与えた要因の一つかもしれません。
長く大切に使いたいと思える良い商品に出会えました。
このお買い物には私だけのストーリーがあって、一人で勝手にロマンを感じています。
3年に渡る歯列矯正を終えた人が、｢高かったけど、いい買い物だった｣と言っていました。
何を買ったのか。
綺麗な歯並びだから得られる自信と、それがもたらす数々の素敵な経験を買ったのでしょう。 一生モノですね。
私たちはお金と商品を交換しますが、本当はその先の経験を買っている、
それが与えてくれる豊かさを買っているのだと、実際にそう感じさせられることが最近多いです。
私もVDSの一員として、お客様にその豊かさを提供できるよう、
日々の業務に邁進していきたいと思います。
最近良いお買い物できたよって方は、ぜひそれを買ったときの話を誰かにしてみてください。
そういう話っていつも楽しいです。できるなら、
その商品に関わる人、作り手や売り手にも伝えてみてください。
きっとどこかで面白い化学反応が起きます。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
どうか皆さんが、2024年も無事に笑顔で誕生日をむかえられますように。おいしいものをたくさん食べられますように。 願わくは、良いお買い物もできますように。
昨年はこんなこと思いもしなかったかもしれませんが、今は心からそう思います。